このブログで本を紹介する時、ひとつのジャンルに偏らない様にしている(つもり)
小説ばっかり・ビジネス書ばっかり・絵本ばっかり・特定の作家ばっかり・・・に
ならない様にしてる(つもり)
でも、ひとりの作家に凝ると、ストーカーの様な勢いで読み漁ってしまう。
10冊、20冊・・・最高記録は、森瑶子さんの48冊。オトナ社会にエントリーしたばかりのあたしには、森瑶子さんの描く世界が
たまらなく艶っぽくみえた。
48冊目で「オチ」と「結末」が、
解ってしまった時、森瑶子さんから卒業した。でもオチと結末が「当たった」のは、本オタクとしては、かなり嬉しかったのを
今でも覚えている♪
最近は、北村薫さんと石田衣良さんが大好きなので、
小説といえば、この方々ばかり紹介してる・・・気がする。
でも今日、紹介するのも・・・
石田衣良さんの小説だッ!ところで石田さんの「池袋ウエスト・ゲートパーク」や「アキハバラ@ディープ」は
文句ナシにおもしろいのだけど、同僚・A子とB子は
「池袋の街ってキライ!」「暴力シーンがイヤッ」と言って身体をくねらせる。
あのさ・・・・あたしだって、池袋や秋葉原より、銀座や目黒の方が好きに決まってるって!
そーゆーコトではなくッ!筆一本でここまで、
主人公の息遣いや街のざわついた音、
空のカーンとした乾いた青さを、泉の如く溢れる程のリアリティなコトバで紡がれた、
伝わる文章を読み取ってくれ、感じてくれ、といいたい。
今回は、暴力シーンはほとんどないので安心して読んでね(多分)
で、結論(←イキナリ!?)自分は経済に対して、恐ろしいほど無知で勉強不足だと、再認識。ぎゃふんッ。
新聞を読まない&購読してない社会人は「オトナじゃない」と、
エラソーに言い切ってるみどりんですが、かなり反省。
この小説は株と経済のシステムが、
うんと勉強できる稀有な小説である。株って、やったコトありますか?
数字が大の苦手なので、あたしは一生やらないと思うのですが
でも、この小説を読み終わってから、新聞の株欄を解らないなりにチラっと眺めるようになった。
経済欄も、ササっと流す程度が、チラっとチョコッと見るようになった。
宮部みゆき氏の「火車」を読んだ時も、ローンやお金の問題に対してかなりの
無知だと焦ったのを思い出した・・・。
石田さん、かなり調べたり、取材したんだろうな~~。
他人事の様で、実は身近な経済や税金・ローンのこと。
「経済ニガテやねん。」なんて言ってる場合じゃないですよ。
476円で、経済のお勉強ができるなんて、
本ってヤツはぁ、やっぱり、すごい存在だ。株を扱ったコトのないあたしでさえ、
「ちょっと・・・お願い、この銘柄、下がらないで。」「ほッ、数字あがった♪」と
共感してしまうから不思議。
そこが石田さんの、上手さなんだろうなぁ~。
主人公の成長と進化する姿も、印象的。
そして、予想外のラスト。
長い時間と、いくつもの孤独な波を乗り越えた「ジジイ」
残り少ない生を、満たしてくれと声をかけたくなった。
ちなみに石田さんは「NHKのお気に入り」だと思う。思いませんか?
トークやディスカッション、討論番組によく登場されてますよね。
この人の軽やかな、新鮮な空気をたっぷり含んだ独特の話し方が好き。
【 本日のオススメ本 】
波のうえの魔術師 石田衣良
文春文庫 定価476円 